境内のご案内
1. 御本殿
神社の代表的な建築様式の一つ「流造」で建てられた現在の御本殿は、昭和16年に御造営された。華美な装飾はないが、先人から受け継がれてきた匠の技が注がれた荘厳な雰囲気の建造物である。
2. 豊受稲荷神社
御鎮座の経緯や時期の詳細は不明だが、古くより湯川地区の衣食住の神様として篤い信仰を集めている。稲荷神社の稲荷とは、 「稲成る・稲生る」の義といわれており、「なる」は大自然より与えられた生産活動と希望・発展の意とされている。御神徳は、商売繁盛、五穀豊穣、産業発展、火災・災難除けである。
3. 日吉神社
明治初期(明治以前とも言われている)に大阪の「鴻池」が入植者50人を伴い来道し開拓を始めるにあたって、 滋賀県大津の比叡山「日吉大社」の分霊を祀る「社」を現在の日吉町4丁目に建てたとされ、産業道路の新設拡幅工事による移転のため、現在は湯倉神社の境内に鎮座している。
4. 御神木
湯倉神社の御神木は、オンコ(イチイ)の木で湯川一の古木であり、樹齢は約370年と言われている。この木は、函館市の保存樹でもあり、他にも境内にはハルニレ、イチョウ、クロマツ、イタヤカエデ、チャボヒバなどの保存樹がある。
5.なでうさぎ 神兎
御祭神の大己貴神(大国主神)と「うさぎ」とは御神縁深く、神話「因幡の白うさぎ」において、過ちを犯し体に傷を負った「うさぎ」が、大神様の御慈愛を受け、健やかなる体に蘇り、悪しき心をも改心されたと伝えられており、以来、「吉報」を伝える芽出度い「神獣」とされている。 神話「因幡の白うさぎ」に因み、御祭神の御神徳を広く御参拝の皆様にお受けいただきたいとの願いから、当社創建360年(平成26年)を記念し御神前に設置された。
6. 湯川温泉発祥之地碑
全国的に名高い湯の川温泉は、北海道の三大温泉郷の一つに数えられ、古来より名湯として数多の人々に親しまれており、 その起源は湯倉神社に残る言い伝えに始まる。詳細については由緒の通りだが、箱館戦争時には、旧幕府軍の榎本武揚がこの温泉で傷病兵を治療させ、 また榎本自身も入湯していたといわれている。湯の川の語源は、アイヌ語で「ユペツ」といい、「ユ」は湯、「ペツ」は川の意味で「湯の流れる川」のことである。 かつては、碑の建っているこの場所に温泉が自然湧出していた。温泉の泉質は、ナトリウムカルシウム塩化物泉で、しっとりとした肌触りが特徴で神経痛・リウマチ・肩こり・腰痛・胃腸病などに効果がある。 この碑は、湯の川温泉の発祥を記念して昭和22年9月に湯川倶楽部によって建てられたものである。
7.てまりうさぎ
「てまり」のまるい形には、万事が丸く収まり、縁が生まれて、弾むような人生をおくることが出来るといった意味があり、大切な人の幸せを願って作られ贈られてきた。地域によっては結婚や節句などの「ハレ」の日に贈る文化も伝え残されている。この「てまりうさぎ」は、お参りいただいた皆様に「ハレ」を感じていただこうと、「てまり」と「うさぎ」をモチーフにし新たな縁起ものとして作成された。
8.竹林と白うさぎ
竹は古来より神事において、清浄な聖域を作るために使用されたり、年末に行われるすす払いで祓いの道具として使用されたりする。神道では、その青々とまっすぐ伸びる様子から榊(さかき)とともに清浄な植物の一つとされている。神獣である「うさぎ」を白い玉砂利で表現したこの神秘的な雰囲気の中で、癒しの時間をお過ごし下さい。
9.開運小槌
当社の御祭神・大己貴神(通称:大黒様)にちなんだ、開運招福・諸願成就・健康長寿・身体堅固の御利益がある小槌です。
10. 湯川忠魂碑
日清・日露戦争に出征し、国事に殉じた同地区の戦没者らの慰霊顕彰の為の石碑である。 この忠魂碑は、1911(明治44)年、旧湯川村の有志でつくる帝国在郷軍人会湯川村分会が、戦没者の為に現在の市民会館付近に建立。 「忠魂」の字は、当時旭川第七師団長で後に元帥となった上原勇作が揮毫(きごう)した。1955(昭和30)年に当社境内に移転され、 現在は大東亜戦争までの御英霊342柱と、同分会を母体に発足した奉賛会の物故者を祀っている。